「諏訪大社は何の神様を祀っているの?」「神様の名前は?」「ご神体は御柱なの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
諏訪大社は、長野県の諏訪湖周辺にある上社前宮・上社本宮・下社春宮・下社秋宮の四社からなる神社です。
中心となる神様は建御名方神で、八坂刀売神や八重事代主神も祀られています。
諏訪の神様は古くから風や水、農業、産業、航海、勝負などと深く結びついた神様として信仰されてきました。
さらに諏訪大社には、本殿を持たず自然そのものを神聖なものとして拝する、古い信仰の姿が残されています。
この記事でわかること
・諏訪大社は何の神様を祀っているのか
・諏訪大社の神様の名前と読み方
・上社前宮・本宮・下社春宮・秋宮の御祭神の違い
・諏訪大社のご神体と自然信仰の関係
・御柱はご神体なのか
・諏訪大社の神様に伝わる御神徳
諏訪大社は何の神様?中心となるのは建御名方神

諏訪大社で中心となる神様は、建御名方神です。
読み方は「たけみなかたのかみ」です。
建御名方神は、古くから雨や風を司る神として信仰され、信濃国を開拓した力の強い神様としても伝えられています。
そのため、農業や産業だけでなく、狩猟や航海、勝負に関わる守り神としても信仰が広がりました。
「諏訪大社は何の神様?」という疑問には、まず「風や水、農業、産業、勝負などを守る諏訪の神様」と覚えるとわかりやすいでしょう。
建御名方神とはどんな神様?
建御名方神は、日本神話にも登場する神様です。
『古事記』の国譲り神話では、大国主神の御子神として建御名方神が登場します。
諏訪の地では古くから「お諏訪さま」として篤く信仰されてきました。
雨や風、水と結びついた信仰は農業にも深く関係し、五穀豊穣を願う人々にとって重要な神様でした。
武勇や勝負の神として武士から信仰された歴史もあり、諏訪信仰は全国へ広がっています。
現在も全国各地に「諏訪神社」などの名を持つ神社があり、諏訪大社はその総本社です。

諏訪大社の神様は一つの御神徳だけでなく、自然や生活、農業、勝負など幅広い信仰と結びついているのが特徴です。
諏訪大社の神様の名前は?四社の御祭神を一覧で紹介
諏訪大社は一つの建物だけを指すのではなく、上社前宮・上社本宮・下社春宮・下社秋宮の四社を合わせた神社です。
四社では祀られている神様に違いがあるため、一覧にすると理解しやすくなります。
| お宮 | 主な御祭神 | 読み方 |
|---|---|---|
| 上社前宮 | 八坂刀売神 | やさかとめのかみ |
| 上社本宮 | 建御名方神 | たけみなかたのかみ |
| 下社春宮 | 建御名方神・八坂刀売神・八重事代主神 | たけみなかたのかみ・やさかとめのかみ・やえことしろぬしのかみ |
| 下社秋宮 | 建御名方神・八坂刀売神・八重事代主神 | たけみなかたのかみ・やさかとめのかみ・やえことしろぬしのかみ |
上社本宮の神様は建御名方神
上社本宮の御祭神は建御名方神です。
諏訪大社の信仰を知るうえで中心となる神様で、雨や風、水、農業などと深く結びついています。
また、力の強い神様として伝えられ、武勇や勝負に関する信仰も集めてきました。
諏訪大社で建御名方神を意識して参拝したい方にとって、上社本宮は特に注目したいお宮です。
ただし、諏訪大社の四社には格の優劣があるわけではありません。
四社すべてを合わせて諏訪大社なので、それぞれの歴史や信仰の違いを感じながら参拝すると理解が深まります。
上社前宮の神様は八坂刀売神
上社前宮の御祭神は八坂刀売神です。
読み方は「やさかとめのかみ」です。
八坂刀売神は建御名方神とともに諏訪大社で重要な位置を占める女神です。
諏訪地方の伝承や神事にも深く関わり、下社でも建御名方神とともに祀られています。
「諏訪大社の神様は建御名方神だけ」と考えるのではなく、八坂刀売神も重要な御祭神であることを覚えておきましょう。
前宮は古い祭祀の姿を感じられる場所でもあり、諏訪信仰の歴史に興味がある方にも注目されています。
下社春宮・秋宮には三柱の神様が祀られている
下社春宮と下社秋宮では、建御名方神、八坂刀売神、八重事代主神が御祭神とされています。
八重事代主神は「やえことしろぬしのかみ」と読みます。
建御名方神と八坂刀売神だけでなく、八重事代主神も祀られていることが下社の特徴です。
春宮と秋宮は別々の場所にありますが、下社では季節に合わせて御霊代が春宮と秋宮の間を遷座する神事も行われています。
詳しくは諏訪大社の神様がいる時期と春宮・秋宮の違いで解説しています。
四社を巡るときは、同じ諏訪大社でも祀られている神様や境内の特徴が少しずつ異なる点に注目すると楽しみが増えます。
なお、四社のどこか一つだけが最上位というわけではなく、四社で一つの諏訪大社です。
参拝先に迷う方は、諏訪大社はどこがいい?4社の違いと目的別の選び方も参考にしてください。

四社に上下関係はありません。時間に余裕があれば、それぞれの神様や境内の違いを意識しながら四社を巡ってみるのもよいでしょう。
実際に巡る場合は、諏訪大社四社巡りの所要時間と効率的な回り方も確認しておくと予定を立てやすくなります。
諏訪大社のご神体とは?御柱がご神体というわけではない
諏訪大社のご神体について調べると、「山」「木」「御柱」などさまざまな言葉が出てくるため、わかりにくいと感じるかもしれません。
まず押さえておきたいのは、諏訪大社が自然そのものを神聖な存在として拝する、古い自然信仰の姿を残していることです。
特に本宮、春宮、秋宮は本殿を持たず、自然そのものをご神体とする特徴があります。
そのため「諏訪大社のご神体は四社すべて同じ一つの物」と考えるより、それぞれのお宮に残る自然信仰を理解することが大切です。
上社本宮は神体山を拝する神社

上社本宮は守屋山の山麓に鎮座しています。
一般的な神社で見られるような本殿がなく、神体山を拝することが大きな特徴です。
社殿だけを見るのではなく、山や森を含めた自然の中に神聖さを感じる信仰が伝わっています。
上社本宮を参拝するときは、建物の奥にある自然そのものへ目を向けると、諏訪大社らしい信仰の形が理解しやすくなります。
本殿がないことは社殿が不足しているという意味ではなく、古い信仰の姿を残す重要な特徴です。
諏訪大社が一般的な神社とは少し違った雰囲気を持つ理由の一つでもあります。
下社春宮と秋宮では御神木が重要な存在

下社春宮と秋宮でも、本殿を持たない独特の信仰の形を見ることができます。
下社では御神木が神聖な場所と深く関係しており、春宮では杉、秋宮ではイチイの木が重要な存在とされています。
春宮には参道沿いに「結びの杉」と呼ばれる御神木もありますが、境内で重要とされる御神座の御神木とは区別して理解するとよいでしょう。
諏訪大社では、山や木など自然そのものを神聖なものとして敬う信仰が今も感じられます。
神社というと本殿の中にご神体があるイメージを持つ方もいますが、諏訪大社ではそのイメージだけでは説明できません。
参拝するときは社殿だけでなく、周囲の森や山、御神木にも目を向けてみてください。
御柱は諏訪大社のご神体なの?
諏訪大社と聞いて、大きな御柱を思い浮かべる方も多いでしょう。
御柱は各社殿の四隅に建てられる大木で、諏訪大社を象徴する重要な存在です。
御柱祭では山から大木を曳き出し、氏子たちの手によって境内まで運び、社殿の四隅に建てます。
ただし、諏訪大社のご神体について「御柱そのものが四社共通のご神体」と単純に説明するのは適切ではありません。
御柱は非常に神聖で重要な存在ですが、ご神体について知りたい場合は、神体山や御神木などの自然信仰と分けて考えると理解しやすくなります。
諏訪大社の信仰は一つの物だけでは説明しきれないほど古く、山や木、水など地域の自然と深く結びついています。

「御柱=ご神体」とだけ覚えるのではなく、山や御神木を含む自然信仰が諏訪大社の大きな特徴だと理解するとわかりやすいです。
諏訪大社の神様にはどんなご利益がある?
諏訪大社の神様には、古くからさまざまな御神徳があると信仰されてきました。
特に建御名方神は、雨や風、水を司る神様として知られています。
水や天候は農業と深く関係するため、農業や五穀豊穣の守護にも信仰が広がりました。
| 信仰・願い | 諏訪信仰との関わり |
|---|---|
| 五穀豊穣 | 雨や風、水、農業と深く関係する |
| 農業・産業 | 開拓や産業を興した神として信仰される |
| 航海安全 | 水を司る信仰から海や航海の守護へ広がった |
| 勝負・武運 | 力の強い神、武勇の神として信仰されてきた |
| 豊漁 | 水や漁業と関係する守護として信仰される |
「勝負の神様」という一面だけでなく、自然と暮らしを支える幅広い御神徳を持つ神様として信仰されてきたことが諏訪大社の特徴です。
旅行で参拝する場合も、自分の願いだけでなく、自然への感謝を込めて手を合わせるのもよいでしょう。

お願い事だけに注目するのではなく、諏訪の自然や水、山と信仰とのつながりを感じながら参拝すると、より印象に残るでしょう。
諏訪大社を参拝する前に知っておきたいポイント
諏訪大社を訪れる前に、四社の関係や参拝方法について簡単に知っておくと安心です。
特に初めて訪れる方は、「本宮だけが諏訪大社」と勘違いしないようにしましょう。
諏訪大社は四社で一つの神社
諏訪大社は、上社前宮・上社本宮・下社春宮・下社秋宮の四社で構成されています。
上社は諏訪湖の南側、下社は諏訪湖の北側にあります。
一日で四社を巡ることもできますが、移動を伴うため事前に位置関係を確認しておくと安心です。
四社に格の優劣はなく、どこか一社だけが「本当の諏訪大社」というわけではありません。
限られた時間で参拝する場合は、旅程や交通手段に合わせて訪れるお宮を決めてもよいでしょう。
時間に余裕があるなら、四社それぞれの御祭神や自然信仰の違いを意識しながら巡ると理解が深まります。
四社を回る順番に決まりはない
諏訪大社の四社を参拝するとき、どの順番で回ればよいのか迷う方もいるでしょう。
四社を参拝する順番に特別な決まりはありません。
そのため、出発地点や宿泊場所、交通手段に合わせて回りやすい順番を選べます。
大切なのは決まった順番を守ることよりも、それぞれのお宮で心を込めて参拝することです。
車で巡る場合と公共交通機関を利用する場合では効率のよい回り方が異なります。
参拝当日は交通状況や季節、授与所などの受付時間も確認しておくと安心です。

四社巡りを予定している方は、上社と下社が離れていることを考えて、無理のない旅程を組みましょう。
諏訪大社の神様とご神体についてよくある質問
ここでは、諏訪大社の神様の名前やご神体について、参拝前に気になりやすい疑問をまとめます。
- Q諏訪大社は何の神様を祀っているのですか?
- A
中心となる御祭神は建御名方神です。古くから雨や風、水を司り、農業、産業、航海、勝負などの守り神として信仰されてきました。四社には八坂刀売神や八重事代主神も祀られています。
- Q諏訪大社の神様の名前は何と読みますか?
- A
建御名方神は「たけみなかたのかみ」、八坂刀売神は「やさかとめのかみ」、八重事代主神は「やえことしろぬしのかみ」と読みます。
- Q諏訪大社のご神体は何ですか?
- A
諏訪大社では本宮、春宮、秋宮が本殿を持たず、自然そのものをご神体とする古い信仰の形を残しています。本宮では神体山を拝し、下社では御神木が重要な存在となっています。
- Q諏訪大社の御柱はご神体ですか?
- A
御柱は社殿の四隅に建てられる神聖で重要な存在ですが、「御柱そのものが諏訪大社四社共通のご神体」と単純に説明するのは適切ではありません。ご神体については、神体山や御神木などの自然信仰とあわせて理解するとわかりやすいでしょう。
- Q諏訪大社は四社すべて参拝しないといけませんか?
- A
必ず四社すべてを回らなければならないという決まりはありません。四社を巡る順番にも特別な決まりはないため、旅程に合わせて参拝できます。時間に余裕がある方は四社を巡ると、それぞれの違いを感じやすくなります。

御祭神とご神体の違いを押さえておくと、諏訪大社の特徴がぐっと理解しやすくなります。
まとめ
諏訪大社は何の神様なのかを簡単にまとめると、中心となる御祭神は建御名方神です。
建御名方神は古くから雨や風、水を司る神として信仰され、農業、産業、航海、勝負など幅広い守護と結びついてきました。
上社前宮では八坂刀売神、上社本宮では建御名方神、下社春宮と秋宮では建御名方神・八坂刀売神・八重事代主神が御祭神とされています。
諏訪大社の大きな特徴は、本宮・春宮・秋宮が本殿を持たず、山や御神木など自然そのものを神聖なものとして拝する古い信仰の姿を残していることです。
御柱も諏訪大社を象徴する非常に重要な存在ですが、「御柱だけがご神体」と考えるより、山や木、水など諏訪の自然全体と信仰とのつながりに目を向けると理解しやすいでしょう。
参拝するときは、社殿だけでなく周囲の山や森、御神木にも目を向けながら、諏訪に受け継がれてきた自然信仰を感じてみてください。
参拝時間や授与所の受付時間、神事などは変更される場合があるため、お出かけ前には最新情報を確認しておくと安心です。

神様の名前と自然信仰の特徴を知ってから訪れると、諏訪大社の境内で見える景色も少し違って感じられるでしょう。
諏訪大社は「建御名方神(たけみなかたのかみ)」を主祭神として祀る、日本最古級の神社のひとつです。
建御名方神は国譲り神話に登場し、大国主命の子として知られ、戦に敗れて信濃の地へ逃れた後、この地で人々を導き「日本一の軍神」として信仰されるようになりました。
また、その妃神である「八坂刀売神(やさかとめのかみ)」も共に祀られ、夫婦神として崇められています。
諏訪大社は、自然そのものを神として祀る「古代の自然崇拝」を今に伝える特別な神社であり、全国約25,000社ある諏訪神社の総本社です。

