諏訪大社下社春宮からほど近い場所に、砥川の向かい岸に佇む不思議な万治石仏をご紹介します。
この石仏は、太陽の塔で知られる芸術家、岡本太郎が1974年に訪れた際に「非常に興味深い」と絶賛したことで広く知られるようになりました。
この記事では、岡本太郎が魅了された万治石仏の特徴や参拝方法について詳しく解説します。
万治石仏の魅力とは何か?
この石仏はそのユニークな表情で訪れる人々の記憶に残ります。自然の安山岩を用いて造られており、その愛らしい姿には誰もが心を奪われるでしょう。
万治石仏のサイズは次の通りです。
- 高さ: 2.6メートル
- 幅: 3.8メートル
- 奥行き: 3.7メートル
手のポーズは、阿弥陀如来の定印を象徴しています。
胸には謎のマークがあり、体の左側には「南無阿弥陀仏」と共に制作年である「万治3年(1660年)」の文字が刻まれています。
この名前は制作された年にちなんでいます。
万治の石仏と伝説
伝説によると諏訪大社下社春宮に石の大鳥居を造る時この石を材料にしようとノミを入れたところ、傷口から血が流れ出たので、石工達は恐れをなし仕事をやめた(ノミの跡は現在でも残っている)
その夜石工の夢枕に上原山(茅野市)に良い材料があると告げられ果たしてそこに良材を見つけるこ事ができ鳥居は完成したというのである。
石工達は、この石に阿弥陀如来をまつって記念とした。霊を納めながら建立したのがこの石仏だと伝えられています。
建立した願主が、万治3年(西暦1660年)と刻まれていることから、万治の石仏と称されることになりました。
万治石仏のご利益と参拝方法
この石仏は1660年に制作され、「万事を整える」と信じられています。そのため、「ばんじ」という名前で呼ばれ、願い事が叶うとされています。
ご利益
石仏の周りを3回歩くことで願い事が叶うと言われています。多くの参拝者がこの特別なご利益を求めて訪れます。
参拝方法
参拝は以下の手順で行います。
- 石仏の前で手を合わせ、「よろずおさまりますように」と心に念じます。
- 石仏の周りを時計回りに3回歩きながら、願い事を心の中で唱えます。
- 正面に戻り、「よろずおさまりました」と唱えて一礼します。
アクセス方法(推奨ルート)
諏訪大社下社春宮から万治の石仏へは徒歩でのアクセスがおすすめです。
春宮から石仏までは約300メートル、徒歩で約5分です。
駐車情報
万治の石仏周辺に専用駐車場はありませんので、下社春宮の駐車場をご利用ください。
春宮参拝後は、自然を楽しみながら石仏への散歩をお楽しみいただけます。
春宮から石仏への散策路
春宮の神楽殿西隣にある筒粥殿(つつがゆでん)から小道を進みます。
途中、砥川に架かる鮮やかな赤い橋を渡り、川中の浮島へと向かいます。この島には浮島社があり、その頑丈さから「下社の七不思議」と称されています。
浮島を抜けると、もう一つの赤い橋を渡り、指示に従って歩くと万治の石仏に到着します。
このルートでは、川辺まで降りることができますが、滑りやすいので注意が必要です。
春宮の鳥居の手前から
春宮の駐車所に車を置いて鳥居の手前の道を左に曲がって橋を渡ったら右に曲がって直進しても万治の石仏に到着できます。
こちらのブログ記事を併せてご覧ください。
【諏訪大社】4社の魅力と特色:前宮、本宮、春宮、秋宮とは?
まとめ
- 万治の石仏は私が特に気に入っているスポットの一つです。
- 周囲には何もない静かな場所に立つ石仏が、訪れた人々の心を惹きつけます。
- 川のせせらぎを聴きながらの散歩は、長いドライブの疲れを癒やしてくれるでしょう。
- 諏訪大社下社春宮を訪れる際には、ぜひ万治の石仏を訪れてみてください。